多飲多尿とは読んで字の如く、『水をよく飲むこと』と『オシッコをよくすること』をいいます。“トイレに行く回数が増えた=オシッコの量が増えた”とはならないため、オシッコの量を正確に測定するのは困難です。そのため、今回は多飲についてお話しします。
✔️水をよく飲むの定義は?
犬なら1日で体重1kgにつき100ml以上
猫なら1日で体重1kgにつき50ml以上
の水を飲むと『水をよく飲む』になります。つまり体重5kgの犬であれば1日500ml以上水を飲むと多飲ということになります。
※猫はウェットフードでも水分を取れるため飲水量の測定が困難な場合もあります※
✔️水を沢山飲むことの何がいけないの?
多飲多尿は病気のサインです。主に副腎皮質機能亢進症や糖尿病、高カルシウム血症、子宮蓄膿症、腎臓病、甲状腺機能亢進症など体のホルモンバランスやミネラルバランスが乱れる疾患で発生することが多い症状です。いずれの場合も病気の初期症状として認められる場合が多く、これらの病気が進行するにつれ、最悪の場合、命に関わる状態になる病気もあります。
✔️診断と治療は?
血液検査と尿検査を基準に、必要に応じてX線検査や超音波検査、ホルモン濃度の測定をおこない、診断します。その結果から多飲多尿の原因を追求し、原因疾患の治療を行います。
※病気の種類によっては1回の検査だけでは診断が付けれない場合もあり、繰り返しの検査が必要になる場合もあります。
※水を沢山飲むというのは病気のサインとして見落とされやすい症状です。以前より水をよく飲む気がするけど、ご自宅で飲水量を上手く測れないという場合は、早めにご相談ください※