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犬の僧帽弁閉鎖不全症について

僧帽弁とは心臓にある血液の逆流防止弁の一つで、僧帽弁閉鎖不全症とはこの弁が正常に機能せず、血液の逆流が生じてしまう病気の総称を言います。この僧帽弁閉鎖不全症は犬で最もメジャーな心臓病で、人間でいう弁膜症だと思ってください。

僧帽弁閉鎖不全症を起こす原因は大きく『加齢により僧帽弁が上手く機能しなくなり発生する場合』『僧帽弁は正常だが他の心臓の異常により二次的に発生する場合』があり、小型犬の場合は前者が、大型犬の場合は後者が多く認められます。

 

※今回特にお話ししたいのがこの病気の症状の出方についてです※

この様に短時間で症状の悪化が認められます。つまり『ついさっきまで普段通りだったのに、今は呼吸が苦しそう』ということが急に起こりえます。この様なことを防ぐため、定期的な検査(主に超音波検査とX線検査)で、今の重症度は上の図のどこらへんなのか、症状悪化の坂道を登り始めてないかどうかを確認し、坂道に近付いたら薬を追加あるいは増量して、呼吸困難を起こさないように治療することが大事になります。呼吸困難を起こした状態を肺水腫と言い、非常に緊急性の高い命に関わる状態になってしまいます。

肺水腫についてはコチラ⇨https://hokkou-ac.jp/toolate/867/

 

 

✔️初期症状は?

 

・小型犬の場合

が初期症状として認められる場合が多いです。小型犬は気管の異常で若い時から咳をするコがたまにいます。咳が中高齢になっても続く場合、必ずしも昔と同じ原因とは限らないので注意が必要です。しかし、咳が目立たない場合もあるので注意が必要です。その場合は、普段より活動量が落ちてないか、呼吸が早くないか、仰向けで寝ていたのが仰向けで寝なくなってないか、伏せたと思ったらすぐ立ち上がるなどの変化があるかどうか注意してみて下さい。

※飼い主さんがと間違いやすい症状として吐き気があります。困った時は症状を動画にとって相談に来て下さい。

 

・大型犬の場合

小型犬ほど咳は目立ちません。また、小型犬とは違い、心臓に先天的な異常を抱えており、その結果、二次的に発生する場合が多いので、多くは2~3歳の若いうちに発症し、小型犬と比較して症状も重症化する場合が多いです。初期症状としては運動量の減少、運動後の呼吸困難、失神や呼吸回数の増加が認められ、最悪の場合、突然死のリスクもあります。

 

仮に、無症状でもどちらの場合も身体検査で心臓の雑音(心雑音)が認められます。心雑音が認められたら、一度キチンと検査をしましょう。心臓病に限った話ではないですが、早期発見早期治療が大事な疾患です。

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