熱中症は高温多湿の環境にいることで高体温と脱水が生じて発生する命に関わる疾患です。
条件が整えば数十分で熱中症になってしまう場合もあります。熱中症というと夏の病気のイメージが強いかもしれません。実際、夏の発生が圧倒的に多いですが、実はシーズンに関係なく、シャンプー後のドライヤーなどによっても発生する場合があります。
※特に肥満の犬猫、短頭種の犬猫や呼吸器疾患を持つ犬猫は注意が必要です※
Q.症状は?
熱中症になると初期は頻脈やパンティングですが、体温が高く、脱水状態が継続すると多臓器不全に陥り、嘔吐下痢、意識レベルの低下や発作なども認められるようになります。最悪の場合、死に至ります(おおよそ50%の確率)。
Q.診断は?
熱中症を起こしうる環境にいたかどうか、犬猫の状態と直腸温度が40度以上であれば熱中症と診断します。
Q.治療は?
冷却処置とダメージを受けた臓器の治療が主な治療になります。受けたダメージは症例ごとに異なるので、様々な治療が必要になります。
が主な予防法として挙げられます。サマーカットをするのも良いかもしれません。特に日向ぼっこを好む犬猫は注意が必要です。日向ぼっこで寝ていると思ったら熱中症になっていて動けなくなっていたというケースもあります。また、犬は散歩の際、日中にコンクリートが浴びた熱の反射を人間よりも近距離で全身に受けることになります。そのため、人間の体感温度よりも熱くなってしまことがあるため注意が必要です。
Q.もし熱中症になっているのを発見したら?
風通しのよい部屋に移動させ、タオルで包んだ保冷剤を脇と股に当ててください。その上ですぐ動物病院に連絡し、病院へ向かってください。
※直接保冷剤を当てたり、氷水の中に入れる、アルコールスプレーをかけるなどの行為は危険ですので絶対にしないでください※