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大型犬の肘異形成について

✔️肘異形成(肘関節の不一致)とは

大型犬(特にレトリーバー種やバーニーズマウンテンドッグなど)の成長期に認められる肘関節の病気です。

肘の関節面が成長とともに不整になることで症状が現れます。主な症状は前足の跛行(ビッコひく)で、この場合、ワンちゃんが歩くと頭が上下に動きます(ヘッドボブ)。しかし、この成長期(4〜7ヶ月齢位)に認められる症状は初期症状で、中にはこの病気があっても初期症状を示さないワンちゃんもいます。この時期を過ぎると一旦症状は落ち着いてしまいます。しかし、関節面の不整はあるので、肘関節に必要以上に負担がかかってしまい、早ければ3歳位から肘の関節炎による痛みで跛行が出始めます。

!!この病気は早期発見早期治療が必要な整形疾患です!!

 

~症状のイメージ~

成長とともに肘の関節面が不整になるので動かすと痛みが出てしまい跛行する(初期)

徐々に肘が痛くならない歩き方を自分で見つけるので跛行が落ち着く

肘の関節面が不整な状態は変わらないので異常な負担が肘関節にかかり必要以上に関節炎が進行(中期)

関節軟骨が減少、さらに関節炎が進行し痛みの原因となる(末期)

 

✔️診断は?

主にX線検査と身体検査で診断します。4ヶ月齢以上になれば診断可能です。

✔️治療は?

手術が必要になります。行われる手術はタイミング(年齢)によりいくつかありますが、主に骨切り術を行います。

※手術について※

残念ながら現在の獣医療では肘関節の病気に対する確実な治療法は確立されていません。現状もっとも確実とされているのが4ヶ月〜7ヶ月齢の頃(初期)に尺骨を切ることで関節にかかる負担を軽減させる手術です。そのため当院ではこの時期に検査をし、必要であればこの時期に手術を行うことを推奨しています。

 

 

 

●実際の症例のX線写真をご覧ください●