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犬猫のてんかんについて

✔️てんかんとは?
脳の電気的な異常により発作を繰り返してしまう状態をさし、症状は『けいれん』が代表的ですが、他にも涎を垂らしたり、肢だけをピクピクさせる、ボーッと一点を凝視するなど症状は多岐に渡ります。何か特定の刺激(音や光など)が原因で発生してしまう場合もあります。症状は数秒から数分(5分以内)が一般的ですが、稀に5分以上発作が続く場合もあり、その場合は命に関わります。3分しても発作が治らない場合は病院を受診するようにしてください。また、けいれん後は頭がボーッとしてしまうため、変な行動をしたり、ふらついたりする場合があります。

 

✔️原因は?
大きく以下のような原因に分けられます
1.特発性てんかん
→脳内の原因不明のてんかんで、遺伝が関与していると考えられています
2.構造性てんかん
→脳に病気があり、その結果てんかんを起こしてしいます(脳腫瘍や脳炎など)
3.反応性発作
→中毒や血液の異常により発作を起こします(低血糖、肝不全や腎不全など)
(※反応性発作は厳密にはてんかんの定義から外れますが、ここではまとめて説明します。)

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!犬は特発性てんかんが多いと言われており、猫は25〜50%が特発性てんかんと言われています!

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✔️診断方法は?
問診、身体検査、神経学的検査、血液検査、MRI検査及び脳波検査により診断します。ただし、MRI検査と脳波検査は全身麻酔が必要になるため、身体検査、神経学的検査、血液検査が重要な検査になります。特に問診での日常の生活スタイルの変化や神経学的検査は「特発性てんかん」か「構造性てんかん」かを見極め、MRI検査が必要かどうか判断するのに重要です。

 

✔️治療方法は?
原因により異なります。
1.特発性てんかんの場合
→抗けいれん薬を内服し、犬ちゃん猫ちゃんに影響与えないように発作をコントロールします
また、最近では中鎖脂肪酸が発作を抑える成分として注目されています
2.構造性てんかんの場合
→抗けいれん薬の投与に加え、発作の原因となっている脳疾患の治療が必要になります
3.反応性発作の場合
→原因疾患の治療が必要です。状況によっては一時的に抗けいれん薬の内服が必要です

 

※抗けいれん薬は脳の異常な興奮を沈める作用があり、副作用としてボーッとしたり千鳥足になることがありますが、いずれも一過性で落ち着く場合がほとんどです。

 

てんかんは治る病気ではなく、付き合っていく必要がある病気です。たとえ薬で発作が落ち着いていても、薬を止めることは発作の再発につながる可能性が高いため注意が必要です。また、適切なタイミングでの抗けいれん薬の投与が重要で、早すぎる治療開始は薬の有効性を不透明にし、遅すぎる治療開始は薬の有効性の低下の原因になります。
初めて見る発作の症状はビックリしてしまうかもしれませんが、焦らず落ち着いて病院を受診してください。余裕があれば、症状の動画を撮影したものがあると診察に大きな情報となります。