咳は異物などの有害物質を排出するための体の防御反射のため、健康な犬猫でも認められる場合があります。ご飯をがっついて食べた時などに出る咳や、散歩中にリードをグッと引っ張った時に出る咳は問題ない咳の代表例です。しかし、その後も続く過剰な咳や、何もないタイミングで出る咳は病気のサインである可能性が高いです。
咳は主に気管の異常で発生します。その代表的な疾患として犬では気管虚脱や心臓病が、猫では喘息が挙げられます。
※咳が続くと一時的に脳に送られる血液が減少し、咳き込んだ直後に失神を起こす場合もあります※
✔️咳の症状は?
咳には『コホッコホッというような高めの音が出る咳』と『ゼーゼーというような低めの音が出る咳』の2パターンあり、どちらの咳かで病変部位の推測が可能です。前者の咳は人がむせた時にする咳に、後者はイビキの音に似た咳のイメージです。
✔️診断は?
主にレントゲン検査で異常がないかどうかを確認します。必要に応じて血液検査を実施する場合もあります。ただし、咳の原因によってはこれらの検査では異常が認められず、透視検査や気管支鏡といった特殊な検査が必要になる場合もあります。
✔️治療は?
咳の原因となっている基礎疾患の治療を行います。それでも咳の症状が上手くコントロール出来ない場合は咳止めの薬を併用します。大きく2パターンの治療方法があります。咳の原因や症状の重症度に応じた治療を行います。
-薬に頼らない治療(気管に掛かる負担を最小限にする治療)
加湿、ダイエット、生活環境の改善、首輪を控えて胴輪を使用するなど
-薬に頼る治療
吸入(ネブライザー)、去痰剤、気管支拡張剤、鎮咳剤など
※咳と間違われやすい症状として嘔吐があります。特に猫ちゃんの咳は嘔吐との区別が難しい場合もあるため注意が必要です。病院で症状が再現出来れば良いのですが、再現出来ない場合もあります。そのため、ご自宅で症状が認められた場合、その症状の動画があると診断に必要な大きな情報となります。