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犬の体表に発生するヘルニアについて

今回は犬の体表に発生するヘルニア(鼠径ヘルニアや臍ヘルニア、会陰ヘルニアなど)についてお話しします。このヘルニアは腹筋やお尻周りの筋肉が裂けて、内臓脂肪や腸、膀胱などが飛び出てしまう病気です。イメージはこのような感じになります。特に臍ヘルニアは『でべそ』みたいなイメージです。

この絵では小腸が飛び出ていますいが、先にも述べたとおり、内臓脂肪や膀胱などが飛び出てしまう場合もあります。このヘルニアの発生部位は大きく下図の3箇所に分けられ、発生部位とヘルニア孔のサイズで飛び出るモノや症状が変わってきます。

 

✔️お尻周りに発生した場合(会陰ヘルニアの場合)

主に大腸が飛び出てしまい、症状としてはしぶり(何回も排便姿勢をとる)や排便困難が認められます。まれに膀胱が飛び出てしまう場合もあり、その場合、排尿がうまくいかなくなり、命に関わる事態になる可能性もあります。このヘルニアは特に未去勢雄で多く認められ、早期の去勢手術で本疾患の発生率を減少させることが可能です。

 

・治療について

年齢によっては内科治療も行いますが、基本的には、お尻周りの筋肉を糸で縫って孔を塞ぐ手術が必要になります。未去勢の場合、同時に去勢手術も行います。

 

 

✔️おへそと内股のトコロに発生した場合(臍ヘルニア、鼠径ヘルニアや大腿ヘルニア)

主に内臓脂肪が飛び出てしまいますが、小腸が飛び出てしまう場合もあります。小腸が飛び出ていても無症状の場合もありますが、重度の場合、飛び出た小腸が壊死を起こしたり、捻れたりして急を要する事態になる可能性もあります。特に飛び出たものが押しても元に戻らない場合や、触って痛がる場合は早急な対応が必要です。小腸が飛び出て悪さをしている場合の症状として吐き気や腹痛が挙げられます。

 

・治療について

孔が小さく、内臓脂肪だけが出ている場合は、無治療でも問題ありませんが、孔が大きい場合や小腸が飛び出ている場合には手術が必要になります。こちらも、同様に筋肉を糸で縫って孔を塞ぎます。

 

 

 

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