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犬の振戦について

振戦(しんせん)とは本人の意識とは無関係に筋肉が勝手に動くことで発生する”ふるえ(震え)”を示す言葉で、言い換えると『ブルブル震えている』状態を振戦といいます。小刻みに早いスピードで震えます。人間が寒い時に震える様子をイメージしてもらえたら良いかと思います。

振戦の原因として大きく下記の原因に分けられます。

 

1.恐怖による震え

特に花火などいきなり発生する大きな音や、怖い思いをした場所に行くと発生します。病院に来ると震え出すなんてコも沢山います。これ以外でも飼い主さんが気が付かない些細な音や行動で起きることもあります。どのようなタイミングで震えるかを観察することも大切です。

 

2.体調不良による震え

内臓系の疾患(低血糖など)、胃腸の疾患、脳の異常や痛みで震えます。この場合、震える以外の症状がほぼ確実と言っていいほど認められます。原因となっている異常の治療をしてあげることで震える症状が落ち着きます。

 

3.上記以外の原因による震え

今回お話したいのがこの場合の震えです。この場合の震えは多くは原因不明の震えで、主にジャックラッセルテリアやマルチーズ、ウェストハイランドホワイトテリアといった特定の犬種もしくは老齢の犬で認められます。震える身体の部位に応じて3パターンに分類されます。

 

⚫︎全身が震える場合

最初は震えるだけですが、徐々に症状が進行し、立てなくなってしまう場合も少なくありません。特に抱っこして下ろした後に症状が一時的に悪化する場合が多いです。主に若齢の犬で認められます。

⚫︎頭が震えてる場合

急に頭が上下もしくは左右に動きだします。自然と落ち着く場合もあります。主に若齢の犬で認められます。

⚫︎後肢が震える場合

立っている時に震えて、横になったり、歩いている時には震えは落ち着きます。主に老齢の犬で認められる場合が多いです。場合によっては前肢も震える場合があります。

 

✔️診断は?

症状から診断しますが、体調不良による震えを除外する必要があるので、血液検査やMRI検査が必要になります。

 

✔️治療は?

全身が震えている場合はステロイドや免疫抑制剤による治療が必要になります。それ以外で鎮静薬や発作止めのお薬を使うことで症状が緩和する場合があります。

 

✔️どうしたらいい?

落ち着いて、どういった時に震えているのか記録してください。大抵の場合は病院でも症状が認められますが、病院という環境で震えが増悪してしまう可能性もあるため、震えている様子がわかる動画があると診断の大きな一助になります。

 

※発作と間違われやすい病気です。発作中は意識を失いますが、振戦は意識を失いません。アイコンタクトが取れるかどうか、オヤツに反応するかどうかなどを試してみてください。反応があれば発作ではない可能性があります。

 

詳細は、診療時間内にお電話にてお問合せ下さい。
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