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犬猫の運動失調について

運動失調とは簡単に言うと「人が酔っ払って千鳥足になって歩いている」のと同じ状態です。そのため、運動失調の犬猫はフラついたり、まっすぐ歩けなかったり、歩く時に足が交差したり、重度だとうまく立てなくなる場合もあります。

 

 

 

 

 

運動失調が出てしまう主な原因は神経系の異常で、原因箇所によって3つに分けて考えます。

 

 

①前庭性運動失調

三半規管などの平衡感覚を司る部位の異常で発生します。このパターンの運動失調では犬猫が『めまい』を感じている可能性が高く、運動失調以外にも眼が上下あるいは左右に揺れる立ち上がれずにゴロゴロと転がる食欲が落ちる吐くなどの症状が認められる場合もあります。原因として加齢性(特発性)がよく認められますが、他にも甲状腺機能低下症、中耳炎や薬物中毒で発生してしまう場合もあります。

 

 

②小脳性運動失調

脳の一部である小脳という部位の異常で発生します。このパターンの運動失調では犬猫が距離感を掴めなかったり、運動時に全身が震えるといった症状が認められます。原因として脳梗塞、脳腫瘍や先天性異常が挙げられます。

Q.犬猫が距離感を掴めなくなるとどうなるの?

物の位置を認識する力が低下します。そのため、何かを口に加えようとした時にその何かがある位置まで口を一回で持っていくことが出来なくなります。

 

 

③固有受容性運動失調

四肢の動きを脳へ伝達する脊髄という部位の異常で発生します。このパターンの運動失調では麻痺症状が認められる場合が多いです。原因として椎間板ヘルニア、背骨の異常や脊髄腫瘍などが挙げられます。

 

Q.運動失調と麻痺の違いって?

運動失調は四肢に力が入るけど上手に歩けない状態を指し、麻痺は四肢に力が入らないため上手く歩けない状態を指します。

 

✔︎診断は?

①〜③のそれぞれで必要な検査が異なるため、症状と身体検査が大事になります。特に症状に関しては病院内で観察できる症状には限りがあるため、日常生活で症状が出た時の動画があるとより正確に判断が可能ですので、お持ちのスマホでの動画撮影をお勧めします。③の場合は高確率でMRI検査が必要になります。

 

 

『歩く』ということは健康寿命維持に大事なことです。歩き方の異常が認められた場合はすぐに病院を受診することをオススメします。