最先端のがん治療

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ガンとは何か?

正常な細胞の遺伝子に異常が起きた結果、体内の秩序に従わず、無限に増殖するようになった異常な細胞がガン細胞です。ガン細胞は分裂して増殖する速度が速く、1→2→4→8→16というように掛け算ではなく乗算のように倍々の速度で増殖していきます。最初に発生した1つの細胞が目に見えない10μm程度でも30回ほど分裂を繰り返すだけであっという間に1cmほどの肉眼で確認できるようになるまで成長します。この時、肉眼で確認できるガンの細胞数はおよそ10億個にも膨れあがり、次の1回の分裂では20億個そして次には40億個と、加速度を増し、直径10㎝になるまではそれほど時間を要さず増殖していくことになります。

ガンとは何かイメージ
増殖速度はそれぞれのがん細胞のタイプによって異なりますが、速度が速ければ速いほど短期間で増大する極悪なガンということになります。また、ガン細胞は増殖が速いばかりではなく、浸潤性が強く、周辺の組織や血管・リンパ管にも容易に侵入する傾向が強いのが特徴になります。そのため、腫瘍周辺ギリギリで切除すると再発したり、切除が遅くなるとたとえ局所的に取り切れていても全身性に転移が生じることになります。

ガンはどうしてできるのか?

身体は約60兆個の細胞からできており、毎日、古い細胞は消滅し、新しい細胞が生まれ、新陳代謝を繰り返しながら、およそ7年かけ身体のすべての細胞が入れ替わっていることになります。しかし、細胞分裂を繰り返すうちに突然変異を起こすことがあります。突然変異が起きる原因はさまざまあり、体内の活性酸素や放射線、紫外線、タバコなどの煙に含まれる化学物質の刺激、炎症による慢性的な刺激などがあります。

突然変異は誰の体内でも毎日数千という単位で起きているといわれていますが、免疫細胞が突然変異したガン細胞を攻撃して未然に防いでいます。しかし中には、その攻撃をすり抜け生き残ってくるガン細胞が出てきます。ストレスや喫煙者の煙、慢性の刺激など悪い環境要因が重なると、状況はガン細胞に優位に働き、助長させることになりやがてはガンの発症を引き起こすことになります。

ガンはどうしてできるのか画像

ガンと宣告されたら・・・

ガンと言っても、ガンの種類、発生部位、進行速度によってさまざまな経過をたどります。その状況によって対処法も変えなくてはなりません。ガンの治療法として確立しているのは「外科手術」「放射線療法」「化学療法」の3つです。これら3つの方法を駆使してガンと闘うことになりますが、ガンは日を追うごとに進行していきますので、「あの時、ああしておけば良かった。」「この時、こうすれば良かった。」と、引き返すことはできません。その時、その時のベストを考え治療することになります。

ガンと宣告されたら画像

外科治療にしても内科療法にしてもメリットだけがあるわけではなく、体には肉体的・精神的にそれなりの負担を強いられます。副作用を考え、治療の負担を軽くすることができればそれに越したことはありませんが、負担の少ない治療を選べば治療効果も少なく、助かる命も助からなくなる可能性が生じてきます。

まず、年齢やペットの状態を充分考慮し、治療をすべきか否か、そして治療するならどんな方法が最適かを、メリット・デメリットを含め、可能な限りの情報を集め、比較検討していくことが重要になります。しかし、標準的な治療法はありますが、状況によっては根治を求めるのではなく、「ガンとの共存・延命」を目的とした治療を施し、QOL(生活の質)を高め、余命を全うする事も1つの選択肢であることに違いはありません。

病気やガンと闘う「免疫」とはなんでしょうか?

自分と自分でないものを見分け、自分でないものを排除する仕組みです。体内に侵入した異物や突然変異した細胞を見つけ、取り込み、排除する仕組みを血液中の白血球が担っています。体内に発生したガン細胞のほとんどはこの免疫細胞によって撃退されますが、何らかの原因(免疫機能の低下やがん細胞の発生率の増加など)で免疫の監視をすり抜け、分裂を繰り返すものが出てくると、数年後にガンがある程度の大きさで見つかることになります。

免疫細胞の中でまずNK細胞が働き、体内の異物やガン細胞を攻撃します。NK細胞をくぐり抜けてもキラーT細胞が次に攻撃します。キラーT細胞はNK細胞と違い、目的のガン細胞をしっかりと認識して攻撃します。これには樹状細胞が大きく関与しており、ヘルパーT細胞やキラーT細胞の活性化や大量生産を促進します。これらの作用は、抗がん剤治療や放射線治療と併用するとさらに威力を発揮しますが、それらの副作用で白血球が減少すると、免疫細胞の本来の機能そのものが低下してしまう一面もあわせ持っています。

病気やガンと闘う「免疫」とはなんでしょうか画像

免疫細胞療法とは?

自分の免疫細胞を体外で増殖・強化してから体内に戻し、ガン細胞と闘ってもらう治療法です。ひとたびガン細胞に対してキラーT細胞が活性化・増殖すると、ガンが全滅するまで攻撃が続くはずなのですが、残念ながらガン細胞はその攻撃力や増殖を食い止めるような能力を持っています。また、骨髄抑制(白血球減少・貧血)を持つような抗がん剤の投与は免疫系へのダメージが大きいので、免疫優位の状況を作り出しにくく、また、肉眼で確認できるような大きなガンは数億個以上のガン細胞で構成されているため、数的な優位をなかなか作り出せません。

の状況を改善するために、免疫細胞を体外に取り出し、培養・増殖することで攻撃力と数を増やし、再び体内に戻し、自らの細胞でガンを攻撃していこうという考え方から生まれた治療法が免疫細胞療法です。免疫細胞療法の最も代表的なものには活性化自己リンパ球療法があります。

この療法は抗がん剤などの化学的な薬剤と違い、自らの細胞を用いるため、本質的に副作用がなく、何度でも繰り返し行うことができます。ガン細胞の増殖抑制などの一定の効果はありますが、ガンが大きすぎていても限界があります。理想はガンが小さいうちに始めること、ですが、ガンを摘出したうえで再発・転移を予防することにも適した治療法です。また、できるだけ早い段階で抗がん剤、放射線療法、摘出手術などのメインの治療に併用することで体力消耗を防ぎつつ、治療効果を増すということも期待できます。

免疫細胞療法とは画像

免疫細胞療法は再発予防に効果あり?

ガン摘出後の再発・転移の心配はどうしても残ってしまいます。この再発・転移を予防するために通常は抗がん剤の補助療法がありますが、副作用などを伴う可能性があるので、危険性を冒してまで残存しているかどうかわからないガンに投与する必要性には議論があるところです。これに代わるものとして副作用が低い免疫療法は手術後の再発予防にも有効であると考えられます。

免疫細胞療法の副作用は?

もともと自身の免疫細胞を培養して投与するので副作用は出にくいです。しかし、自身以外の蛋白培養液で細胞を増やしますので、ごくまれに微熱や倦怠感程度の副作用があります。

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